*Your Site Title


■ 連夜連理




お題
「連夜連理」



夜明けだ。

隣に眠る彼女(かごめ)起こさぬよう、

体を起こし上半身を襦袢で覆う。


今日は遠方の村の妖怪退治のため早朝に出かけなければならない。

『今夜は無茶するなよ』

昨日の法師の忠告を今さら思い出した。

体力のある俺は何も障りはないが、

ここ連日かごめには無茶をさせてしまっているような気がする。

・・・あの野郎、遠まわしに「彼女に無茶をさせるな」という意味での忠告だったのか。



「ん・・・」

「かごめ?」


「もう、行っちゃうの?」

「ああ・・・日没までには帰る」


彼女がゆっくりと上半身を起こし、犬夜叉の傍に近寄る。


「・・・かごめ?」


そして、かごめは犬夜叉の背中に寄り添い、

そっと彼の肩に手を載せた。


「いってらっしゃい」



犬夜叉は彼女の手に自らの手を重ねた。

「あぁ・・・行ってくる」




そう言って朝の世界に足を踏み入る。


11/8/30